医の倫理学 2022年度までの評価方法 


2022年度のシラバス は こちら    

概略

・ 年間を通して多角的な評価を行っています。教科書理解度、小説読解レポート(心情理解力)、授業理解度、臨床倫理ケーススタディ能力を評価項目にしています。一回の本試験と一回の再試験による評価という方式を採りません。

・ 授業中の発言についてはこの科目の開講当初から評価の対象外にしています。教員はこのことを説明し続けていますが、依然として、「授業中の発言が評価されている。目をつけられると大変だから発言しないようにしよう」という学生の声がやむことがありません。これは完全な事実誤認です。さらに「だから学生は自由に発言できない」という嘆きが聞かれますが、これは自縄自縛というほかありません。
  なお、レポートやリアクションペーパーでは、シラバスに明記してあるように、「自由な発想や、独創的な意見」は高く評価されてきました。萎縮し他の学生と足並みそろえたようなありきたりの意見を、教員は望んではいません。
  最終成績はシラバスに明記した評価項目の平均点そのものであり、そこから減点などの操作が行われていないことは明白で、疑念をいだかれる余地はありません。根拠のない情報にまどわされて、発言や意見交換が控えられるならば、学生参加型、臨床倫理ケーススタディ中心型のこの科目の特質は大きく損なわれて、教育プログラムのレベルが低下し、学びの機会を逸し、結局のところ学生のみなさんの不利益にしかなりません。  さらに こちら

・ 教科書理解度試験で低評価の学生ほど授業ノートがpoorである(その授業時間内に浮き彫りにされた重要なポイントが書き留められていない等)ことが経験的にわかってきました。そこで、授業時間内に受け身にならないようにしてもらおうと考え、数年前より授業ノートを評価の対象としてきました。
 2022年春の段階ではこれまで同様、その予定でした。しかし、同級生との間でノートの貸し借りが行われていることが(数人からのメールで)判明したことから、授業ノートを評価対象とすることの意義が正しく受け止められていないことがうかがわれました。こうした実態を受け止め、年度の途中ながら、授業ノートを評価対象から外すことにしました。そうしないと、ノートの貸し借りが可能な人脈をもっているかどうかが評価を左右することになりかねないからです。

・ 欠席したにもかかわらず同級生のノートを借りてリアクションペーパーを書こうとする学生が出てきました(当人からのメールで判明)ので、リアクションペーパーについても評価項目の対象外とすることが検討されましたが、そうすると評価方法の変更が大きくなりすぎるため、次年度以降はリアクションペーパーの評価を廃止する方向で検討することとしました。

・ リアクションペーパーの書き方がわからない、リアクションペーパーの評価基準があいまいである、という声に応えて、2022年10月31日と11月7日、それぞれ1時間を割いて、人文・社会科学系の論述文作成ならびに評価のポイントを説明しました。最近刊行されたよい参考書の紹介にくわえて、国内外のさまざまな大学や大学院の入試問題(の出題形式や、それぞれの大学が公表している採点ポイント)も紹介しました。こうして人文・社会科学系の評価基準・評価方法が明確になると同時に、「医の倫理学」および「医系の人間学」の評価基準・評価方法が適切かつ一般的であることを明らかにしました。
  (ちなみに、この科目では教員2名で採点を行っています。経験的に、同一の提出物の評価は2名の間でたいていの場合ほぼ一致します。ごくわずかな差がある場合は平均をとり、ごく希に大きな差があるときには協議を行って評点を決めています。)

  しかしながら、そもそも「医の倫理学」「医系の人間学」では春の段階で、「リアクションペーパーの書き方」についてのリーフレットを配信・掲示済みでした。にもかかわらず、まとまりのないリアクションペーパーが一定数提出されたことから、後期にはパラグラフライティングを意識して書けるようにリアクションペーパーの書式を改めることも行いました。